人間ドックの結果表にある「CRP」。
聞き慣れない略語のうえ、「炎症反応」とだけ書かれていて、それ以上の説明がないことも多い項目です。
この記事では、人間ドックに日常的に従事している医師が、CRPの意味や、数値が変動する原因、そして病院を受診すべき具体的な目安などを分かりやすく解説します。
人間ドック学会の判定区分
| A | B | C | D | |
| CRP(mg/dL) | 0.30以下 | 0.31〜0.99 | 1.00以上 |
※ A:異常なし、 B:軽度異常、 C:要再検査・生活改善、 D:要精密検査・治療
※ 判定結果は、施設ごとや判定医ごとの基準、問診内容や過去の数値によって変わることがあります。
「CRP」とは何か?
CRP(C反応性タンパク)は、体のどこかに炎症や組織の損傷が起きた際に、肝臓で作られて血液中に増えるタンパク質です。
CRPは、炎症が起きてから6〜8時間で上昇し始め、炎症が治まれば下がっていく傾向にあります。
CRPはあくまで「体のどこかで炎症が起きている」ことを示す指標であり、それだけでは炎症の場所や原因まではわかりません。どこに原因があるかは、他の症状や検査と合わせて絞り込んでいく形になります。
数値が異常値を示す原因
CRPが上がる主な原因
- 感染症:風邪、インフルエンザ、扁桃炎、尿路感染症、肺炎など、細菌・ウイルス感染全般。
- 慢性炎症性疾患:関節リウマチ、炎症性腸疾患など、体のどこかで慢性的に炎症が続く病態。
- 組織の損傷:手術後、外傷、心筋梗塞など、組織がダメージを受けた後。
- 喫煙:慢性的な炎症が引き起こされ、非喫煙者より高値になる傾向があります。
- 肥満:脂肪組織が炎症性サイトカインを介してCRPを上昇させます。
- 悪性腫瘍:一部の”がん”に伴ってCRPが上昇することがあります。
どのような場合に医療機関へ受診するべきか
以下に該当する方や「D判定」が出た方は、次回のドックまで様子を見るのではなく、早めの受診を検討してください。
- CRPが2.0mg/dLを超えている場合
- 発熱が数日続いている、あるいは繰り返している
- 体重減少、寝汗、関節の腫れや痛みなど、感染症以外の原因を疑わせる症状を伴う場合
- 咳・痰・胸の痛みなどの呼吸器症状、頻尿・排尿時痛などの尿路の症状を伴う場合
これらに当てはまらない「B判定」「C判定」の方で、かつ体調に大きな変化がない場合は、直近の”かぜ”による一時的な上昇や喫煙・肥満による高値であることが多いです。
日常生活に取り入れたいセルフケア
- 喫煙している場合は禁煙を検討すると良いです。
- BMIが高めの場合、体重を減らすことで慢性的な炎症の改善につながる可能性があります。
- 歯周病もCRP高値の原因となりうるため、歯科での定期検査を行うのは、良いセルフケアと言えます。
- 睡眠不足や慢性的なストレスは炎症反応に影響しうるため、睡眠を無理に削らないように心がけると良いです。
忙しい日常での工夫ポイント
- 再検査の予定をカレンダーに書いておく:一時的な上昇が疑われて再検査になった場合でも、再検査の時期をあらかじめカレンダーに入れておくと、放置を防ぎやすくなります
- 禁煙はアプリで記録をつけることから始める:禁煙は、アプリを使って可視化する方が続けやすいとされています。
- 体重管理は自動記録に任せる:スマート体重計を使えば、日々の記録の手間をなくしつつ推移を確認できます。
- 歯科定期健診を予定に組み込む:定期健診をした際には、なるべく次回の予約を取るようにすると良いです。
まとめ
- CRPは身体の中の炎症を反映するタンパク質です。
- 喫煙、肥満や体調不良でも上昇しうるため、すぐに重大な病気と結びつける必要はありません。
- 発熱・体重減少・呼吸器や尿路の症状を伴う場合は医療機関への受診をおすすめします。

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